国境〜西安〜嘉峪関〜敦煌〜トルファン〜コルラ〜クチャ〜カシュガル〜国境
前回はモンゴル編でした。


8/27更新(西安) 9/3更新(西安〜敦煌) 9/9更新(敦煌〜トルファン) 9/17更新(敦煌〜カシュガル〜国境)
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2009/8/24更新



2008年9月6-7日
中国・ホフホト
(初めての駅泊)
中国に戻ってきました。
ホフホトに夜中について、次の日の夜中に西安行きの夜行列車に乗ります。 チケット売り場は24時間オープンで、チケット取得代行業者なるものまでいました。 私も絡まれましたが、タダで何かをやってくれるような人ではなさそうだったので、不要(プーヤオ)といっておきました。 しつこいから、「それって仕事?」って中国語で聞いてみると、50元だって笑って答えました。要らないし、高い。 結局じぶんでチケットを無事に購入しました。

さて夜中だったので、ホテルを探すかどうか迷いました。 が、経費削減の観点からタクシーはなし。交通機関も終了。ゆえに、駅で一泊することにしました。
ここで、中国の駅について解説。
1.建設当時はきれいだったと思われる駅構内+待合室は見事に汚くなっている!とくにトイレはひどい。
・食べカスやごみを平気で放置するし(トウモロコシの食べカスまで普通に捨てている!)
・便器に小便をしないから、床が小便で汚れている。大便も流さない、というか流れない。
2.24時間オープン&給湯機がある。
売店は常に人がいて、おなかがすいたらカップめんやパンを買って食べることができます。 (私はこれを知っていたので駅泊を決行しました。) パンもカップ麺も2〜3元ほどで買えます。カップめんにはフォークが付いていて、意外と親切。


私以外にも駅で寝泊まりする人がいました。装いから察するに、帰省するか出稼ぎにでるかという方々でした。 人が一人入りそうな袋を持って待合室でごろごろやってました。私も荷物を抱えてうとうとしました。 外国人はホテルに泊まらないと治安当局に連行される、という噂もあったので、若干ドキドキしましたが。


2008年9月9日
中国・西安
(兵馬俑)
西安は昔、長安とも呼ばれていて、前漢から唐の時代にかけて中華帝国の首都として栄えました。 特に、唐の時代には人口が100万人を超え、世界一の大都市でありました。
漢の成立の少し前に中国を始めて統一したのがあの始皇帝で、その墓の副葬品こそ、 超有名な兵馬俑。入館料が90元(1500円)と激高ですが、見る価値はあると思います。

<行き方>西安駅からバスが出ています。所要時間1時間弱、片道25元。


2008年9月9日
中国・西安
(兵馬俑)
兵馬俑 始皇帝の墓を守るべく作られた人形たち。兵士が兵俑、馬が馬俑、併せて兵馬俑。
2000年以上に作られたものがほぼ原形をとどめて現代に現れたのだから驚きです。 発掘した瞬間から急速に劣化(酸化)したらしいのですが、それでもすごい。 作成当時、人形には着色してあったらしく、いまでもその名残があります(写真・首のところ)。
兵馬俑の広さは東西230m、南北62m、1000体を超える人形があります。
壮観!


2008年9月7日
中国・西安
(始皇帝陵)
始皇帝陵 始皇帝の墓本体はまだ見つかっていませんが、大体この辺〜ってところを「始皇帝陵」といってます。 兵馬俑からバスで10分くらいのところにあるので、ついでに参拝。
写真は衛兵ですが、ときどき交代します。なんか、イギリスの近衛兵の猿真似でした(笑)。 山一つ丸々墓の敷地で、斜面はりんごの果樹園になっています。 言い伝えでは、始皇帝の墓には水銀の海があるらしい(もちろん、装飾品。当時としては最高の贅沢でした)。 水銀で毒されているかもしれない地面になる果物を売っているところが、中国人の衛生感覚らしいです。


2008年9月8日
中国・西安
モスク
モスク 中国版モスク。清真寺院と呼びます。ここから西に行くほどムスリムが増えます。 イスラム教徒以外、中には入れません。


2008年9月10日
中国・西安
モスク
安部仲麻呂 安部仲麻呂という人が、遣唐使として派遣されたものの、帰国できなくなってこの地に骨を埋めたそうです。 合掌。
碑石の作者は李白のようです。 「日本恩師…」とあることから、下にもおかぬ存在だったことが伺われます。


2008年9月11日
中国・西安
崋山
崋山 西安の東にあるのが景勝地、崋山。屏風のような山々が、東峰・西峰・南峰・北峰・中峰と呼ばれています。 金庸原作「射周鳥英雄伝」を始めとする武侠小説に度々登場するので、是非にも登りたいと思っていました。

<行き方>西安駅からバスが出ています。片道50元。本気で登山したい人はバスを降りてすぐに山を登れば登山口です。 (山頂で一泊する必要がありますが・・・)。
ロープウィエイで行けば、観光登山できます。現地人もこのルートで登山するので、ついて行きましょう。 私は、現地人と仲良くなって、一緒に登山しました。


2008年9月11日
中国・西安
崋山
崋山 写真のおじいさんと一緒に登山しました。すごい元気なおじいさん(65歳)です。 “日本的朋友”と“よっしゃー(日本語)”を連呼してました。

ちなみに、この断崖絶壁を渡るには30元の保険金と命綱が必要です。 毎年何百人も足を踏み外す難所です。


2008年9月11日
中国・西安
崋山
日本の富士山とは違った雄大さがあります。
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2009/9/3更新



2008年9月8-11日
中国・西安
(宿泊)
ショウ子門青年旅舎
場所:西安駅前の路線バスで「南門」まで行き、ロータリーを西に200mほど進むと、左手にあります。
受付では英語が通じます。綺麗なお姉さんが対応してくれます。ネットはフリー。シャワー・トイレは共同。 12人部屋のドミトリーが一泊35元より。敷地内に西洋風のバーがあり、西洋人だらけです。 近くに、西安書院青年旅舎あり。

そこであった人々。
1.ロシア人マックス:超高圧的&自己中でした。
2.ポーランド人カップル:ワインをご馳走になりました。いい人たちでした。
3.変な中国人?:なんか泥棒呼ばわりされました(怒)。 実はそいつが泥棒だったという罠(あとで気づきました。幸い被害なし。)


2008年9月8-11日
中国・西安
(食事)
愛すべきB級グルメをご紹介。(写真撮ればよかった。)
場所:鼓楼の北の路地、清真寺院の東あたり
1.ちょっとおしゃれな餃子屋があります。蒸し餃子が最高です。 一籠100円ほどで、2籠食べればお腹いっぱいです。西安に行ったら是非行くべきです。
2.揚げ饅頭。路地で売ってます。一個1元。日本のあんこ餅を油で揚げます。
3.羊羹?あんこを餅でくるんだやつ。清真寺院の近くで売ってます。


2008年9月13日
中国・嘉峪関

長城の西端だそうです。テーマパーク化していて風情に欠けます。逗留する価値は無いでしょう。
この街では、初めて宿泊拒否を受けました。 外国人はちゃんとしたホテルでないと宿泊できないそうです。
この街には朝4:30に着いて、夜が明けてから長城まで行って、正午にバスで敦煌へ出発しました。 (超ハード。)


2008年9月13-16日
中国・敦煌

敦煌までやって来ました。映画ですっかり有名になりました。 砂漠の真ん中に、近代的な街並み(外見だけ)を備えた都市です。 水道事情が悪いことを除けば、すごくいいところです。 都会の喧騒を忘れたいなら、ここに来ると良いでしょう。


2008年9月14日
中国・敦煌
莫高窟
かの有名な「莫高窟」です。入場料は160元でした。 お金を払わなくても、覗き見できると聞いていたので、柵の外から見学です。
写真は、教科書や資料集に載っているやつです。

行き方:敦煌飯店近くからバスが出ている。片道8元。


2008年9月14日
中国・敦煌
莫高窟
岩山に洞窟が多数掘られています。


2008年9月14日
中国・敦煌
莫高窟
壁画です。画像をクリックして拡大できます。


2008年9月14日
中国・敦煌
莫高窟
壁画です。画像をクリックして拡大できます。

(次回へ続く)
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2009/9/9更新



2008年9月13-16日
中国・敦煌
(宿泊)
ガイドブック(旅行人ノートor地球の歩き方)に載っているホテルはほぼすべてリニューアルされてます。 親日的ガイド・隋さんの「敦煌料理店」は倒産しており、彼はほかの店に間借りして観光業を続けています。

(初日)「飛天大酒店」二人部屋で51元。シャワーは錆び臭い上にお湯が出ない。最悪。
(2日目以降) 「月山荘青年旅舎」5人部屋で一泊30元。和式トイレにシャワーがついている。 しかも、トイレのうんこが流れないので、うんこの横でシャワー浴びました(哀)。

(場所)飛天大酒店はバスターミナルの前にあり、わかりやすい。 月牙泉青年旅舎は、鳴砂山に向かう路線バスを終点で降りて西へ向かう。 看板らしきものもあるので、すぐ分かると思います。裏山が鳴砂山です。


2008年9月13-16日
中国・敦煌
(鳴砂山)
鳴砂山の入場料は120元です。高い。東側の墓地を抜けて侵入する方法もあります。
写真は、中秋の名月-1日くらいの月です。トップページの画像と同じものです。 漆黒の砂漠を背景に、月が光り輝いていました。デジカメの画像では感動を伝え切れませんね。


2008年9月13-16日
中国・敦煌
(食)
この街の名物は砂鍋です。日本の土鍋に相当します。肉と野菜とマロニーみたいなものが入っています。 10〜15元ていど。ほかに、市場で果物を売ってます。スモモが甘酸っぱくておいしいです。 思えば、スモモばかり食べてた気がします。市場では鶏を目の前で捌いて売っています。 鶏の哀しい鳴き声が忘れられません・・・。


2008年9月13-16日
中国・敦煌
(アレな話)
名物の砂鍋を食べていると、老婆と40歳くらいのおっさん=男(二人は親子) と若い姉さん(=娘)が同じテーブルに座って食事を始めたと思われたい。 彼らの様子が変なので、じっと聞き耳を立てていると、
老婆:お金をあげるから一緒に飯を喰え。
娘 :・・・
老婆:先にあげるから、一緒に食べて(強引に100元渡す)
娘 :やっぱり嫌!(お金だけ貰って逃げようとする)
(娘の上司登場→気まずい雰囲気で食事をする)
たぶん、売春でしょうね。でも、親と一緒って、どんだけマザコンなんですか! しかも男は一言も喋ってないところが(哀)
P.S.上海の売春といえば、高級カラオケ店ですが(私は行ってません)、 この辺では「美容院=床屋」みたいなところがそれにあたるようです(事情通談)。 病気と逮捕が怖い方は近づかないように・・・


2008年9月17日
中国・トルファン

新疆ウイグル自治区へ入りました。これから天山山脈の南を通って、カシュガルへ向かいます。
オリンピック前はテロや暴動で大騒ぎでしたが、私が通過するときは、当局が鎮圧してひと段落したころでした。 ウイグル自治区とはいえ、どの街の中心地にも漢人の店が立ち並んでいました。 事情通によれば、ウイグル人を締め出して漢人を入植しているそうです。
武力で占領する→漢人を入植する→領土であると主張する、というのが中国の戦法のようです。 内モンゴル自治区やチベットはまさにこの方法で「中国」となりました・・・
この点にはわが国も十分注意を払うべきでしょう。
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2009/9/17更新



2008年9月17-18日
中国・トルファン

トルファンの郊外には「葡萄溝」なるものがあります。 大昔、冬の雪を貯めて夏の乾季に備えるための施設でした。 それは現代でも十分機能していて、郊外の農場や都市に豊富な水を提供しています。
写真はトルファン郊外の農場と農家。


2008年9月17-18日
中国・トルファン

上海辺りでも書きましたが、中国は社会主義国ですから「労働こそ富の源泉」という考えです。 すなわち、物を売るほうは「欲しければ売ってやる」というスタンスだから、すごく偉そうです。 日本は(資本主義国だから)「お客様に買っていただく」というスタンスだから、 横暴な客にも愛想良く接しなくてはなりません。
この手のギャップは日常茶飯事で、 (特に、新疆に入ってからは)最初に交渉した値段を無視して金を請求する輩もいました(例えばタクシー)。 従って、誰かと口論しなかった日は無くて、相当疲れた記憶があります。

トルファン自身は悪くない町でした。青年路には葡萄の木が木陰を作り、 葡萄溝から湧き出る水が街を冷やすので、ボーっとするにはちょうど良い場所であり、季節でもありました。


2008年9月17-18日
中国・トルファン
(食)
青年路と高昌路を結ぶバザーの近くに飯屋があります。そこのワンタンが1.5元、小龍包が4元です。 安くておいしいので、バックパッカーの友的なものでした。中心街の百貨大楼近くにウイグル人の経営する パン屋があり、これも安くておいしい。一つ0.5元ほど。(1元=15円)しかも、(めずらしく?)愛想の良い ウイグル人でした。ソフトクリームは、どの街も1元程度です。暑くてカラッとした場所で食べると最高です。
Best Foodの「地中海風・・・」がおいしかった。一つ150円ほど。この辺の物価を考えれば、高い。


2008年9月17-18日
中国・トルファン〜コルラ

砂漠だけだと思っていたけど、岩山あり、荒地あり、湖あり、渓谷ありで道中楽しめました。 写真はトルファンからコルラの間の風景の一つ。バスの窓越しの撮影です。 バスの窓は開かない上、冷房は無いので車内は凄まじい暑さでした。


2008年9月19日
中国・コルラ
(食)
新疆ウイグル自治区はイスラム圏内です。中国人はムスリムを回族と呼んでいて、 彼らの料理は回族料理と呼ばれています。拌面(バンミェン)は典型的な回族料理で、 冷やしうどんに羊肉と野菜をかけて食べます。にんにくと唐辛子の利いた辛い料理でした。 しかもめっちゃ量が多くて、食べるのがきつい。


2008年9月19日
中国・コルラ
(宿泊)
バスターミナルの宿泊所か、中〜高級ホテル以外で外国人は宿泊できないそうです。 ターミナルの宿泊所は例のごとく、風呂は無しトイレは共同。おまけに、鍵は内側からしか 閉まらないタイプなので、貴重品は必ず持って外へ出ること!シングルが一泊20元。とりあえず安い。


2008年9月19日
中国・コルラ

ちょっと変だよ中国人、な話題です。
子供がお尻にスリットの入ったズボンを着ています。 いったい何のためなのか?ずっと疑問だったのですが、この街で疑問解消です
子供がうんこや小便を催したとき、親がその子のお尻を持ち上げると、 そのスリットがパカッと開いて、そこから用を足すのです。 私の目の前でうんこをさせる人がいて、マジでげんなりでした・・・
(食事中の方、失礼!)


2008年9月20-24日
中国・カシュガル

とうとうカシュガルまでやって来ました。少し前、テロで大騒ぎをしていたのがこの街ですが、 到着したときはすっかり平穏な街になっていました。 ただし、武装警察による警備やウイグル人を街から強引に退去させた結果の平穏であり、 必ずしも安定した平和とは言えないようです。
日本にとって最大の幸福は、第二次大戦に敗北したあと外国人が移民してこなかった点にあるかもしれません。 アメリカ人や中国人やロシア人に居座られたら、 東京や大阪が今日のカシュガルになってたかも知れないので。


2008年9月20-24日
中国・カシュガル
(食事)
よく考えたら、9月はラマダンだから日中に飲食はできないはずですよね、ムスリムの町なら。 でも、飲食は自由にできたことを振り返れば、新疆ウイグル自治区というのは名ばかりで、 実際は漢人が支配していることが良く分かります。これが現実・・・。
さて、カシュガルにきたら「美食城」によらない手は無いです。 ご飯はおかわり自由、トレー一皿におかずを好きなだけのせて7元(105円)ほど。 安いし満腹になります。昼にこれを食べたら夕食は食べなくても大丈夫。 味も悪くは無いです。
あと、ベストバーガーやアイスクリーム屋もあります。麺類、饅頭、餃子も安くてうまい。


2008年9月20-24日
中国・カシュガル

羊 この街は古くから(漢や唐の時代)交通の要衝として栄えたところで、 現在のカシュガルは16世紀のカシュガル・ハーン国の時代に築かれた城が発展したものです。 街の中心はすっかり漢人風になっていますが、郊外へ行けば遊牧を営むウイグル人もいます。 街のウイグル人は嫌なやつだけど、郊外のウイグル人は素朴な感じでした。


2008年9月20-24日
中国・カシュガル
(洗濯)
昼は気温が高くて乾燥しているから、洗濯物が半日で乾きます。 旅の話で忘れられがちですが、衣類の洗濯はちょっとした日課です。 手洗い→手絞り→洗濯紐で干す、という作業を怠ると臭くて嫌われる・・・かもしれません。


2008年9月24日
中国・国境

峠 長かった中国を抜ける日が来ました。国慶節で身動きが取れなくなる前に、 キルギスへ行こうと急遽動いたわけです。
カシュガルからオシュ(キルギス)へ向かうルートと、ナルン(キルギス)へ向かうルートがありました。 私は後者を取ったわけですが、オシュへ向かうほうが安く済むらしいです。
入境許可証を取得して、ガイド付で越境したわけですが、費用は300ドルほど。もったいなや。 この時点での旅レベルは低かったので、あまり良く分かってなかったのでしょうね。
ちなみに、国境はバイクでも通行可能なようです(ただし、ガイド付)。写真はトルガルト峠の風景。


2008年9月24日
中国・国境

峠 トルガルト峠、写真。


2008年9月24日
中国・総括

1.中国人は悪いやつか?→Yesであり、Noでもある。日本人がすべて善良ではないことを思い出すべし。
2.中国は危険な国か? →Yes。命が危なくなることはあまりないが、置き引きやボッタクリには気をつけるべし。
3.旅行をして楽しいか?→Yes。秋の新疆は気候が穏やかで、生活費も安い。敦煌がお勧め。 (郊外は閑静だし、食事も安くておいしい、市場の果物が特においしい。)
4.行く価値はあるか? →Yes。上海・南京・北京・西安・敦煌は大いにあったと思う。 シンジャンやピンヤオもお勧めらしい(噂ですが)。
5.また行きたいか?  →No。もうお腹いっぱいです。


次は シルクロード/キルギス編です。

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